在日朝鮮人人権協会のシンポジウム

2010年10月2日(土)東京お茶の水で行われた、「今、在日朝鮮人の人権は?」(在日朝鮮人人権協会)に参加してきた。そこでの感想など。

■参加した人は老若男女様々だが、おそらく9割は在日の方。特に若い人(会話から朝鮮大学校の学生らと思われる)が多かったのが印象的。コメンテーターが若い弁護士中心だったということもあり、先輩にあこがれる法曹志望の人が多かったかもしれない。今年新司法試験に合格した人などの紹介などもあった。

■スピーチの内容は、朝鮮学校無償化、朝鮮学校事件、無年金訴訟の3つ。印象的だったのは、各種活動において、日本人の支援が多いことを強調していたこと。支援の広がりの手応えを大分感じているのかもしれない。もちろんまだまだ不十分ではあることはいうまでもない。

■いただいた資料は、在日本朝鮮人協会発行の機関誌など。朝鮮学校事件についても、今日のコメンテーターであり、原告の弁護団の一人である弁護士の論文で詳細に知ることが出来たので有益だった(『人権と生活』NO.31号(在日朝鮮人人権協会、2010年)。事件当日は幼稚部の児童が偶然にも不在だったため、ヘイトスピーチに晒されることはなかったという事実は少し安心させられた。

■質疑応答では、公園の使用経緯についての質問が出たが、まず弁護団として調査中であること、被告側が争点することは確実なので詳細は控えたいとのこと。ただ、ゲストスピーカーは当該学校出身者で「当時はあそこは学校のグラウンドだと思っていた(笑)」などと述べていた。

■なお、都市公園法違反で学校長が罰金刑になったことについては、学校側の方でいろいろいきさつがあるようである(公園の問題は早めに切り上げたいという思いから甘んじて受け入れた可能性もある)。ただし、弁護団としては、罰金刑自体は不当だと考えているとコメントしていた。

■ハングルが飛び交う中で私自身は質疑応答時間に質問することは憚られたので、終了後に直接いくつかお伺いした。詳細は省くが、在特会会長桜井誠について本名は把握しているとのこと(この点についてはまた改めて取り上げる予定)。

在特会名誉毀損罪ではなく、侮辱罪で起訴されたことは残念なことであるが、割と好意的に評価している雰囲気。ヘイトスピーチを規制する法律がない以上その点は仕方がなく、侮辱罪でもヘイトスピーチの犯罪性を問える点を前向きにとらえている。まあ、そうでないと困るのだが。