在特と茶会党の分析軸

ティー・パーティ運動とは何か。ある識者はこの運動をリバタリアンによる運動だといい、また別のある識者は、共和党保守の運動だと述べている。反エスタブリッシュメントの運動であるとか、ポピュリズム運動だという指摘もある。果たしてどれが正しく、どれが間違っているのだろうか。おそらく、どれもがティー・パーティ運動の一部分を説明している点で正しく、他方で、全てを説明できない点で、どれも不十分だろう。」

安田:(中略)僕がこうした主張を繰り返す在特会を取材して感じるのは、会員間に共通する独特の匂いとでも言いますか。もちろん個々はそれぞれ違う。決め付けるようなことは言いたくないんですけれども、おおよそふんわりと流れてくる匂いというのが当然あるわけです。その一つが、被害者意識。

藤井:被害者意識?

安田:そうです。これ、メディアはね、どうしても彼らの加害者性というものに着目しがちですが、彼ら自身は自らをけっして加害者の立場には置かない。自分たちが被害者だということを一生懸命に訴求しているわけです。

藤井:なるほど。その「被害者性」についてはとても意外な見方ですけども、これについてはまた後で議論しましょう。二点目はなんですか?

安田:反エリート主義です。三番目は実際ちょっと重なるんですが、いわば反権威主義というのかな。