京都朝鮮学校嫌がらせ事件の概要

■事件の発端
2009年12月4日、「在日特権を許さない市民の会」と「主権回復を目指す会」(以下「在特会等」)のメンバーら10数名が京都朝鮮第一初級学校(以下「朝鮮学校」)に対して以下のような「嫌がらせ行為」を行う。

(1)スピーカーの電源コードの断線
(2)「返しにきた」などと称して、朝礼台やサッカーゴールの移動
(3)拡声器を用いたヘイトスピーチ
「学校の土地も不法占拠」、「我々の先祖の土地を奪った。戦争中男手がいないとこから、女の人をレイプして奪ったのがこの土地」、「これはね、侵略行為なんですよ。北朝鮮による」、「ここは北朝鮮のスパイ養成機関」、「犯罪者に教育された子ども」、「ここは横田めぐみさんをはじめ、日本人を拉致した朝鮮総聯」、「朝鮮やくざ」、「こいつら密入国の子孫」「朝鮮学校を日本から叩き出せ」「朝鮮学校、こんなものはぶっ壊せ」、「なにが子どもじゃ、スパイの子どもやんけ」「キムチくさいで」「約束というのはね、人間同士がするもんなんですよ。人間と朝鮮人では約束は成立しません」「日本に住ましてやってんねや。な。法律守れ」「端の方あるいとったらええんや、はじめから」などの言動を行った。

■事件当日の朝鮮学校
初級部の児童らが授業、他校との交流会を行っていた。詳細は不明であるが、先の「嫌がらせ」行為により、児童らが恐怖におびえたであろうことは想像に難くない。なお、不幸中の幸いだったのは、幼稚部の児童は課外授業に出ており学校内にいなかったこと。もし、幼稚部の児童らが校内にいれば、大きな心の傷を負っていただろう。

■12月4日以降の朝鮮学校の対応
ネット上で在特会等の街宣の告知が行われたことから、街宣予定日の予定を大幅に変更。幼稚班は課外保育に、初級部は課外授業にでるという措置をとった。


朝鮮学校側の状況については、すべて康仙華「在日朝鮮人への差別感情をむき出しにした朝鮮学校嫌がらせ事件」『人権と生活』№31(在日本朝鮮人人権協会、2010年)を参照。