外国人参政権メモ

外国人参政権をめぐる憲法問題については、佐藤令「外国人参政権をめぐる論点」『人口減少社会の外国人問題総合調査報告書』(国会図書館、2008年)を読めば、概況が理解できる。

 上記論文に付け加えておくと、かつて憲法学界では、「禁止説」が通説であったが、現在は、「許容説」が多数説となったという経緯がある。ただし、許容説でも政策論上は否定説をとる場合もある。

 なお、この論文では、国政参政権地方参政権を区分する基準について、若干整理が不十分な点がある。参考になるのは、長谷部恭男「外国人の人権に関する覚え書き」『憲法の理性』(東大出版会)、127頁。国籍を調整問題の観点から捉え、国は「統治権」、地方は、統治権のうちでも「行政権」のみであると区別している。もちろん、法定受託事務などの問題もあるので、この区分は便宜的なものではある。

追記
林瑞枝「フランスにおける外国人参政権問題」『駿河台大学文化情報学部紀要』7巻1号